ガロアの生涯

 

book-09 「ガロアの生涯」 神々の愛でし人

インフェルト著 市井三郎訳
日本評論社

神々の愛でし者は夭折す(メナンドロス)

当時エヴァリスト・ガロアは、ようやく23歳か24歳であった。そしてもっとも激烈な共和主義者の一人でもあった。(フェーリックス・クライン)

16才ではじめて数学の世界に触れ、21才で決闘に倒れた数学者。共和主義者として秘密警察に追われ、多くの時間を独房で過ごした。
解を求めるのではなく、解を求めることの可能性を直接研究するという、まったく新しい視点と方法論。学問とは、研究とは、権威とは。
多くのことを考えさせられる一冊。

1969 18才

2次方程式の解の公式はご存知と思う。3次も4次も、公式はある。当時、5次方程式の解の公式を求めて数学者は苦戦していた。ガロアの結論は、「公式を作ることはできない」。

「問題の答えを求める」という、それまでの数学の在り方から、方程式全体の構造そのものを研究することをめざし、「群ーgroup」という概念を創造して解決に到った。
出版当時、「学園紛争」の時代に、学問の権威主義や、社会における学問の在り方に、おおきな問題を提起したことでも歴史的な意味のある一冊である。
なお、数学の知識は必要ありません。安心してお読みください。念のため。

2013.4.23. 記

フランス切手に E.Galois の肖像がありました。

本の表紙にも使われた肖像画ですが、これが唯一の彼の肖像なのです。

2017.11.10. 記

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