mRNA

現在有効とされているワクチンは、mRNA を利用したものです。この機会に情報を整理しておこうと思います。専門ではないので、科学的な用語の誤りが心配です。お気づきの点は、ご一報お願いします。

①驚くべきことに、我々の遺伝子DNAは体中のすべての細胞の中に1組ずつ入っています。人を作る設計図ですから、神様ならば、1個の細胞から、クローンを作ることができます。

②実際は、そのDNAの一部をコピーすることにより、必要な生命活動を行っています。そのDNAの部分的なコピー情報を伝えるのが mRNA です。

③現在蔓延しているコロナウイルスは、1237個の遺伝情報を持っているそうです。(テレビ情報)そのうちの一部分が、ウイルスの「突起」部分を作る設計図になっています。その部分を使って 突起もどきを作って、ヒトの体内に入れてやると、人体はウイルスの侵入と勘違いして、抗体を作ります。その抗体が本物のウイルスを攻撃するわけです。

突起もどき はとても不安定なので、たんぱく質でコーティングして、低温で保存する必要があります。このたんぱく質が「異物」と認識されるため、アナフィラキシーショックを起こすわけです。体内に入って、温度が上昇すれば、分解されてしまいますので、注射して体内に入ったとたんに 突起もどき は壊れてしまうと思われます。そのわずかの時間に抗体を作る態勢が出来上がるわけで、この仕組みを考えた研究者を褒めるべきか、わずかの刺激で抗体を作れるようになる人体を褒めるべきか、いずれにしても画期的な研究です。

なお、DNAから突起が出来る過程ですが、誤りを起こすことを承知で、私の理解を述べておきます。「変異」がどのようにして起こるかの理解に必要と思われるからです。

①DNAは4種類の塩基(A:アデニン C:シトシン G:グアニン T:チミン)の連鎖でできています。これをコピーして、実際に働くようにするのが、mRNAです。この塩基4個ずつの並びに対して1個のアミノ酸が対応し、その順番通りにアミノ酸が結合することにより、特定のたんぱく質が構成されます。

②この塩基の1個でもコピーミスを起こすと、異なるアミノ酸が接続され、当然異なるたんぱく質が構成されるわけです。冒頭で述べた1237個の遺伝情報というのは、上述のアミノ酸の個数と思われます。

N501Y 1237個のアミノ酸配列の第501番目が、N:アスパラギン から Y:チロシンに変わったものだそうです。その結果、突起部分のたんぱく質が変異し、感染力が変化するわけです。400~500番目あたりが突起にかかわっているそうです。

④このようなコピーミスは常に起こっていますが、対応するアミノ酸に該当するものがなければ、それまで。また、アミノ酸が該当してもウイルスに有効なたんぱく質でなければ、それまでです。そのような、まれな過程で N501Y が生まれ、たった1個の細胞が増殖し、他のヒトに感染したわけですから、「奇跡」としか言いようがありません。逆にいうと、それほど多くの変異が起こっているということです。激しい感染の起こった地域に変異が起こるのはこのためです。

2021.5.16.  記

戻る