2021年11月分です
2021.11.26. 変異株
①南アフリカで新し変異種が猛威を振るう恐れがあるという。
②以前にも書いたことだが、ウイルスには「意思」はない。遺伝子の一部が変異するのだが、その位置も結果も確率的偶然で起こる。そのほとんどは生存能力はなく、変異したとたんに消滅する。
③生き延びた変異種のうち、他のヒトに感染しなければ、そこでオシマイ。つまり、隔離が徹底すれば、変異種が広まることはない。
④感染力の低い変異種は、それまでのウイルスの感染拡大には、負ける。致死率の高い変異種は「宿主」の命を奪うので、感染は広がらない。
⑤結局、感染力が強く(加えて、発症前に感染する力を持つ)致死率がホドホドである変異種が、次の天下を取る。しかし、そのような都合の良い変異は、そうそう起こらない。膨大な人々の感染地域でそのような現象が起こることは、容易に予想される。
⑥結論として、地球上から爆発的な感染地域をなくすということに尽きる。南アフリカ・インド・ブラジルなどの感染者を極力減少させることが、結局、ウイルスに勝利する近道である。日本も含めて、先進諸国はその面での国際協力が足りないように思われる。自国の対策だけでは、「鼬ごっこ」である。
2021.11.24. イルミネーション
①年の瀬が近づくと、方々でイルミネーションの飾り付けが始まる。そのこと自体を批判するものではないが、気持ちの一部に割り切れないものがあるので、ひとこと。
②むかし、LEDを開発してノーベル賞を受賞した研究者が、記者会見で、「地球上のエネルギー消費の30%が照明用である。一方、暗くなって照明が得られないため学習できない子供たちが多くいる。少しでもそのような子供たちが学習できるように役立てばと思う。」と語った。30%という数字に驚いたが、多すぎるような、少なすぎるような。確認してはいない。
③確かに、宇宙からの映像を見ると、日本列島がその形が分かるほどライトアップされている。一方、アフリカ大陸は暗く、海岸線のわずかな都市が確認されるだけである。そのような中、日本の青年が、小型の太陽光発電の装置と蓄電池をもって乗り込み、蓄電池のレンタルをしているという。ほとんどボランティアだ。日本の若者も捨てたものではない。
④地球温暖化が叫ばれていて、もはや手遅れ状態とも思うが・・・。たとえば、30%のエネルギー消費のうち10%節約できるなら、温暖化を食い止めるためには大きな力となる。1%でもアフリカの子供たちに提供できれば、将来の地球を救う人材が育つと思う。
⑤現在の日本を見ていると、LEDで消費電力が減り、電気代が減ったとき、その分だけ他の消費に回せるような発想が目立つ。これではエネルギー消費の総量は減らず、温暖化を食い止めることになっていない。
⑥では、どうすれば良いのか。今の人類には望むべくもないものであるような、絶望感に襲われる。
⑦あえて言うと、SEDsで述べられていることは、取り返しがつかない状況を少しでも先送りする手立てのように思われる。その時間稼ぎの間に、なんとか人類を救う手立てに気づければ、と思う。
2021.11.21. 大谷翔平選手
①誰も触れないので、念のため。
②折れたバットを拾うシーン、何気なくグラブを外して、左手で拾って渡す。利き手である右手をかばう習慣が、身についているようだ。
③おそらく生活のあらゆる場面で、右手を使わないように、怪我をするリスクを避けているのだろう。
2021.11.20. モーゼの十戒
①むかし、宗教に興味を抱いたときモーゼの十戒に出会った。
1. 主が唯一の神である
2. 偶像を作ってはいけない
3. 神の名をみだりに唱えてはいけない
4. 安息日を守る
5. 父母を尊敬する
6. 人を殺してはいけない
7. 姦淫をしてはいけない
8. 盗んではいけないこと
9. 隣人について偽証してはいけない
10. 隣人の財産をむさぼってはいけない
②その時は、1から5は信仰の義務。6からは人としての義務。
その程度にしか理解できなかったが、年を経るにしたがって、別の理解が芽生えてきた。
③ヒトが「野生」から「知性?」に目覚めたとき、本能との戦いが始まった。聖書では「原罪」と呼ばれているもの。本能に従えば、無益な殺生はしない。満腹の時は獲物を追わない。暴力や略奪・姦淫なども無縁である。しかし、ヒトは「生きる」という目的以上に、物を蓄えるようになり、ものを奪うようになった。その時から、本能との戦いが始まった。その苦しみを少しでも緩和しようとして、宗教が生まれた。私の勝手な解釈であるが、少しは、当たっているかな?
④人は「便利さ・豊かさ」を求めて文化を発展させてきたように思う。これは本能の一部のようにも感じられる。その速度と大きさが、地球のサイズを超える状況に達したように思われる。そこで、「新しい宗教」が希求されることとなる。温暖化や持続性などの問題が、避けられない緊迫感をもって喧伝されるようになったが、その本質は、予想外に人類の深層心理に根付いている。果たして人類はこれを乗り越えることが出来るのだろうか。2000年たっても、「人を殺してはいけない」ことを乗り越えられていない。キリスト教とイスラム教のあいだで!!!!
この話題は、昔読んだ、J.モノー?の本の受け売りかもしれないが、出典が確認できない。ごめんなさい。
⑤ついでながら、宗教を上記のように解釈すると、東アジアの儒教や神道は、人々の苦しみをなだめているだろうか。日本には「八百万の神」や「お天道様」がいるから、「なんとかなっている」ように思う。現在の東アジアの問題を解決するためには、このような視点も必要なのではないか。
古希を迎えて、そんな総括をしている。
2021.11.17. 漂流軽石
①まさか、なにも準備していないとは思うが、原子力発電所は対策を準備しているでしょうね。
②海洋からの冷却水が詰まると・・・慌てて発電を止めても・・・間に合わない。
2021.11.17. 10万円給付②
①自民党内で10万円給付の対象について異議がでている。収入制限について、「主たる生計の人」の収入で基準を作ると、夫婦共稼ぎ世帯が不利になるという。
②この議論の裏には、「世帯主」「家族単位」の意識が根強くあるように思われてならない。安倍さんを引き合いに出すまでもないが、「日本」は「家族」を基本として「世帯主」を中心として成り立っている、という思想である。
③昨年の国民全員に10万円給付するとき、「世帯主」の口座に家族全員分を振り込むことにした。これは住民基本台帳を利用することが最も効率的であることから、当然のことと理解するが、マイナンバーカードの利用にこだわったため、大混乱が起こった。個人と家族の重複が無いかの確認に膨大な時間と手間がかかったのである。
④今回の、18歳以下への給付も、「18歳」という個人的な線引きと、「家族」の収入・総収入の考え方の解釈である。現代では、18歳以下でも基準以上の収入を得ている場合もあると思われる。
⑤政府はマイナンバーカードの普及を推進しているが、「世帯」もしくは「家族」の情報の扱いを明確にしない限り、いろいろな面で混乱が起こると思う。たとえば、DVが原因で別居している、などの情報を保護するなど、きめ細かい配慮が必要となる。健康情報・預金口座・交通違反記録・賞罰、このような情報が一元化されてはたまらない。2万円くらいの「餌」でおびき寄せるのは、邪道である。国民も舐められたものである。
2021.11.16. 感染率急減②
①日本中で一斉に感染者数が急減している。この原因はウイルス側に原因があるとしか、考えられない。さすがの政府も自分たちの成果として自慢することは控えている。
②人間側に何か理由があるとすれば、ワクチンとマスク。海外でワクチン接種の進んでいる国でも、感染の再燃が見られるので、理由はワクチンだけではない。マスクは現象の良し悪しはおくとしても感染率を下げるには大きな力となっていることは確かであろう。しかし、ウイルスに影響を与えるものではない。
③政府としては、長期的なビジョンでワクチンなどの開発を後押しして欲しいものである。菅さんはワクチンの成果をわがことのごとく喜んでいたが、それは大きな政府の障害の困難にもめげず、自治体の職員や医療関係者が奮闘した成果である。基礎医学の研究を進めたのは海外の研究者たちである。mRNAを用いたワクチン研究は基礎研究として、優れたものであった。ノーベル賞ものであると思う。
④思うに、そろそろ接触感染の状況が分かってきたのであるから、少し緩和してはどうか。大体がエアロゾルまたは空気感染に絞られているように思われる。長期の使用が出来るマスクなどの開発に本腰を入れるべきであろう。あとは、換気、狭い室内での換気を効率的にできないか。
⑤ここまで感染者が減ってきていれば、国内で消滅させることも夢ではない。10日か2週間国内で0が続けば、以降は海外からの水際対策に全力を尽くせるようになる。これは、夢でもあるが・・・。
2021.11.9. 10万円給付
①呆れて、開いた口が塞がらないとはこのこと。野党ならば、政権を取れるかどうかもわからないので、理想や思い付きを主張することは許される。しかし、与党連立政権で、政権維持が前提なのに、選挙が終わった直後に、ああでもないこうでもない、そんなつもりではなかった。では、この「公約」は何なのだ、単なる「膏薬」だったのかと言いたい。「二股膏薬」という言葉もある。
②理念というものが感じられないし、連立与党に、その合意が無い。野党の「野合」呼ばわりは、そっくりお返ししたい。
2021.11.7. 極地の氷
①ヒマラヤの氷河が後退したり、北極海での航海が可能になるなど、地球温暖化の影響が話題となっている。少し気になる問題があるので、ご存じの方は教えて欲しい。
使用する数値や単位は私の学生時代のもので、後日修正する予定。
②1リットルの水の温度を1度上昇させる熱量を1キロカロリーというのが定義だったように思う。私が驚いたのは、1キログラムの氷を水に戻すには80キロカロリーの熱量が必要だということ。これを融解熱という。雪山登山の経験のある人は、雪を溶かして水を作ることがどんなに大変かという経験から理解されると思う。この熱量は0度の水を80度の熱湯にするエネルギーに匹敵する。
③さて、極地の氷は夏に溶けても冬には補充される。温暖化で総量が多少減ってもその影響は少ない。10メートルの厚さの氷河が8メートルになっても、影響は少ない。翌年9メートルになり、しばらくはこれが繰り返される。しかし、いったん地表が露出されると、氷が解けて吸収されていた熱量が地面や海水に吸収される。さすがに80度までは上昇しないが、一気に温暖化が加速されることが見込まれるのではないか。
④エネルギーというものは、終局的には熱エネルギーに変化する。微々たる量だが原理的には、太陽光発電で本来地表で反射され宇宙に拡散される光エネルギーを電気エネルギーに変えて、熱エネルギーとして利用すれば、終局的には温暖化の原因となる。
⑤最終的には、地球全体での総量規制が必要となる。それも、遠い将来の問題ではない。
⑥ちなみに、水の比熱(1度の温度変化に必要な熱量)は他の物質に比べて極端に大きい。地球が水の惑星と呼ばれ、このことが生命の誕生・進化に大きな要因となっている。温度変化の影響を受けづらい特性がある。
2021.11.5. マイナンバーカード
①マイナンバーカード申請者に、3万円給付。これは違法ではないか。
②そもそも、マイナンバーカードを取得するのは「任意」のはずである。すべての申請者に3万円給付するとすれば、財源は「税金」。申請を拒否していれば、3万円の給付は受けられない。しかし、税金は払っている。これは不公平ではないか。申請を拒否するには、それなりの理由がある。
③3万円のポイントが与えられるというが、その手数料は莫大な金額になるはず。それも税金。ペイペイなどに流れる手数料・税金はいくらか?癒着はないか?
昨年の現金給付の時、「マイナンバーで申請」の方針で大混乱をおこしたが、マイナンバー利用でスムースに支給できるという理由だったはず。これは「矛盾」
④マイナンバーカードと運転免許証・健康保険証とを結びつけたときのメリット・デメリットを検討もしないで、ただ広めればよい、3万円の呼び水を税金から支払う。どうも、素直の賛成できない。
⑤私の最近の心配は、免許証や保険証をまとめると紛失した時の被害が大きい。高齢者が健康保険証を紛失するケースをどう防ぐか。オレオレ詐欺をどう防ぐか。危険分散の考えはないのだろうか。心配は尽きない。
⑥現在、スマフォを契約すると、月々の支払いはどれくらいなのだろう。年金生活者には、大きな出費である。
2021.11.3. COP26
①率直に言って、地球温暖化の阻止は、手遅れである。そもそも1960年代に、「成長の限界」で国連事務総長が「10年以内に手を打たなければ」と発言して、半世紀以上、世界は何もしてこなかった。現在、世界が取り組もうと重い腰を上げたが、それは破局を先延ばしする程度にしかならない。
②たとえば、核兵器廃絶などは人類の知恵で実現可能であるにも関わらず、進展が望めない。そのエネルギーを産業に回せば、温暖化は相当食い止められる、はず。根源的には、地球全体でのエネルギー消費を抑制することしか解決策はないのだが、だれも、問題の指摘すらしていない。
③むかし、人類全体がアメリカと同程度の生活水準を得るためには、地球が2.5個必要と言われた。アジアやアフリカの人たちの生活水準を向上させるためには、少なくとも、先進国が足踏みをする必要がある。経済成長などと言っている余裕はないはずである。
④学生の頃、文学部の学生に、「人類がこの危機を乗り越えるためには?」と、問いかけたところ、「環境汚染が原因で、数百万人規模の死者がでれば、考え直すだろう」という答えがあった。返す言葉を思いつかなかったことが思い出される。思えば、50年前の地方大学の学生たちが、夜中に、そのような議論をしていたと思うと、この半世紀は何だったのだろう。それに引き換え、COP26での各国の首脳の発言は、無知に近い。
2021.11.3. 感染率急減
①新しい仮説として、「遺伝子の補修機能の低下」が発表された。ウイルスが増殖するとき遺伝子がコピーされるわけだが、コピーエラーを修復する酵素(nsp14)が働くそうだ。その機能が低下したのではないか、というものである。
②確かに、変異=コピーエラーのほとんどはウイルスの生命にかかわるもので、そのエラー修復酵素が働かないとすれば、納得である。しかし、そのような特性を持ったウイルスがどのようにして日本中に広まったのか、疑問が残る。
追記 11.7. 修復酵素が働かなければ、ウイルスの繁殖は弱められ、勢力は減退する。それが、既存のウイルスに生存競争で勝てるわけがない。その仕組みが解明されれば、「修復酵素」という基本的な構造ゆえに、多くのウイルスに応用できるはず。期待は高まる。
③それにしても、科学者は必死になってあらゆる可能性を追求しているのですね。でも、その背景には徒労に終わった研究者がいっぱいいます、その研究者たちを支える行政が必要なのですが、政治家にその意識があるか????。この機会に基礎科学の重要性を理解して欲しいものです。
④生命誕生の時、遺伝子は円形であったという話を聞いたことがある。円形であるから無性生殖であり、増殖しやすく、コピーエラーは起こりにくい。一方、棒状の遺伝子を持つ我々は、有性生殖の必要が生じたが副産物として、遺伝子の交換により「進化」の可能性を得た、という。
追記 11.9. 棒状の遺伝子の場合、端からコピーが始まるため、端のデータのコピーに誤差が生じやすい。そのため細胞分裂をするたびに遺伝子は短くなる。この部分は減数分裂(生殖細胞を作るとき)の際に元の長さに戻るのだが、通常の細胞分裂では、どんどん短くなる。そのために遺伝子には「不要な余白」が両端についているという。これがなくなることが、「寿命が限られる」理由とされる。
ウイルスが信じられないスピードで増殖したなら、遺伝子が短くなり、自滅する可能性はある。日本全国で一斉に消滅する理由とも考えられる。世界的に4か月で急増し、4か月で急減・収束する周期性の理由もうなずける。ただ、変異種が出現した時、遺伝子の長さが元に戻っているような現象がみられることの説明が、わからない。