松本電鉄・島々線④

 

安曇三ダムの建設と上高地線

1960年代、都市の電力需要の増大に対応するため、梓川の上流三ヶ所(稲核(いねこき)・水殿(みどの)・奈川度(ながわど))に、東京電力のダムと水力発電所が建設されることになりました。上高地線はその建設資材の輸送に当たりました。輸送開始を前に、電気機関車ED40型2両を新装、渚と赤松(現在の新島々)駅近くには貨物用の側線(ヤード)が新たに設けられました。渚駅のヤードには国鉄のD51型蒸気機関車も乗り入れました。

 

日本八景上高地渓谷

昭和10年頃の島々駅の様子です。左端の標柱にある「日本八景」は、昭和2(1927)年に、東京日日新聞、大阪毎日新聞(現:毎日新聞)が主催し、当時の鉄道省の後援で展開された観光キャンペーンで、新しい時代に相応しい勝景を8つの部門から選定したものです。読者投票と文化人らによる選定の結果、上高地は渓谷の部で第1位となり、その知名度を飛躍的に高めることになりました。

 

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