地球平面協会

「地球は平坦である」と、いまだに主張している団体がある。イギリス人特有の諧謔だと思っていたが、意外と本気?

行動半径の少ない時代の人類にとっては、当然の発想である。たまたま、地球のサイズが小さくて、球形であることが分かったと思う。 たとえば、地球が太陽くらいの大きさがあり、重力が強く、地表から離れることができなかったら、発見は遅れるであろうし、永遠に気付かないこともありうる。

一点の周りが平面に見えるような曲面を、数学では2次元多様体という。球面だとか、円環体(ドーナッツ、浮輪)のようなものが該当する。地球(球面)は2次元多様体のひとつである。
天体観測から地球の形状が球形であるとしたのは、人類の英知である。伊能忠敬は当時ギネス級の正確さで地球の半径を計測している。曲がり方が計測できなければ、全体の形は理解できない。

さて、この宇宙はどんな形になっているのであろうか。数学の言葉で言えば、3次元多様体である。宇宙があまりにも大きく、観測できる範囲があまりにも狭いことから、困難を極めるだろう。しかし、数学者はポワンカレ予想を解く過程で、7つ(だったかな?)の基本モデルを示し、われわれの宇宙はこれらの空間の組み合わせであることを証明した。そうである。

数学には、そのような力があるのです。

2013.3.19.  記