三角形の面積 = 底辺の長さ × 高さ × 1/2
の公式の 1/2 の意味は、ほとんどの人が説明できると思う。では、
錐体の体積 = 底面の面積 × 高さ × 1/3
は公式としてはよく知られているが、この 1/3 の意味を説明できる人はすくない。
実は、数Ⅲ(高校3学年で学習する)で、変数 X、 Xの2乗 を積分した際の係数として
出てくる数値 1/2 1/3 がそれで、このとき初めて面積や体積の意味が理解されることになる。
その話題は別の機会にゆずるとして、この項の目的は 1/3 を説明できないなら
せめて具体的な例で示すことはできないだろうか、という話題である。
2つの具体例がある。
例 Ⅰ 1 辺の長さが a の立方体を考え、その中心を O とすると、O を
頂点とし6っつの面をそれぞれ底面とする 四角錐 が 6個 できる。
この四角錐の体積を求めると、もとの立方体の 1/6 であり、そこから
上で述べた 1/3 が出てくる。
例 Ⅱ 同じ立方体で、ひとつの頂点に集まる 3っつの面をそれぞれ底面とし
これらの面に含まれない残りの 1 点を頂点とする3個の 四角錐 を考えると、
これらはもとの立方体の 1/3 となる。
今のところ、これ以外の例を知らない。
なぜ、このようなこと話題にしたかというと、現在の 数Ⅰ の教科書で、円の面積、
球の体積・表面積などが扱われる。その説明は十分ではなく、なんとなく理解する程度
で終わる。3学年でやっと正確な証明がなされる。しかし、ここで扱った 錐体 の
体積は、「なんとなく」の説明もないまま、気付かせないように通り過ぎることになる。
なんとかならないでしょうか。
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2013.5.6. 記