燃える林
赤 い 実
小糠のような雨が しずくを育てる 映るのは今
(605-29)
疎 林
感歎と喧騒をぬけて しずかな林 しぜんな流れ
(737-5)
夕 刻
今日も静かに暮れてゆく 千年の無事 万年の安寧
(609-30)
新雪の森
ようやく明けた 吹雪の朝 まばゆい光線 重い雪
(772-2)
青 い 影
唐松の林を抜けた 光の線 きらめく結晶 新雪
(807-16)
梓 川
豪雪 強風 なにもなかったような 朝の陽 梓の流れ
(808-14)
スノウシェード
旧釜トンネル 多くの登山者たちが 歩いたみち
(672-15)
釜 ヶ 淵
凍つく釜ケ淵 一筋の残照 木々も耐えるのみ
(672-16)
大 正 池
さざ波が 空気の営みを 雲が 大気の厚みを
(812-20)