最近、もの忘れが激しく、そのうちに記事にしようと温めていると、なんとなく・・・
そのうちに、まとめて、OPINION のページに入れますが・・・
というわけで、そのうちに、そのうちにと言って、毎日が・・・
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・・・2022年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分
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2023.5.30. 私が私であること
①以前、急遽パスポートの取得が必要になったことがある。
②手続きを進めるうちに、顔写真付きの身分証明書が必要になった。運転免許証を持たない私は、職場での身分証明書しか持たないが、事情があって数か月前に有効期限が切れていた。
③顔写真付きの身分証明書が無い場合は、(1)住民票(2)健康保険証(3)印鑑証明(4)・・・などが必要になった。このために急遽印鑑証明を申請したが・・・。とりあえず必要な書類を整えてパスポートを入手でき、事なきを得たが「私が私であること」を証明することの難しさをしみじみ思い知らされた。
(とりあえず、その後、原チャリの免許を取って現在に至っている。もちろん路上で乗ったことはない。)
④さて、マイナンバーカードにいろいろな証明書を紐づけようと政府は躍起になっているが、「もし、マイナンバーカードを紛失したら」どのようなことが起こるか。考えられる対策は、(1)区役所で顔認証を受ける(2)マイナカードの再発行を申請する。これが完了するのに何日かかるのだろう。そもそも、そのような対応をしてくれるという保証がない。
以前キャッシュカードを失くした時、銀行にその旨通知すると、「2~3週間かかります」という。私が「その間どうやって生活すればよいのか」と言うと、結果4日で再発行された。その間、友人から生活費を借りながら暮らした。悪用されることを防ぐ手続きも必要であった。家を留守にすることも不安であった。現代では、いつ押し込まれるかという恐怖もある。
⑤スマフォにマイナカードを紐づけるそうだが、事故が起こったときの対策は全く示されていない。病気やけがで顔認証ができない場合、本人確認はどうするのか。意識を失ったとき、「誰にも分る場所に」マイナカードを置いておくのも「不用心」である。
⑥どうしても、マイナ・イメージ・カードの感が先走るようになってしまうが、プラスの効果は絶大なものであることも事実である。システムを企画・制作している政治家の無知や名誉欲・請負業者の無責任・金銭欲から生じる、軽々しい思い付きと、稚拙さから生じる理由で廃止に追いやってはいけない。
2023.5.29. 藤井6冠
①どこかでコメントを読んでいたら・・・。将棋のタイトル戦はタイトル所持者に圧倒的に有利な仕組みであるとのこと。
②例えば、今の藤井さんと5戦して3勝することがいかに難しいか。昨年、1年間に藤井さんに3勝した棋士は居るのだろうか。
③そんなことを考えていると、ここ数年のうちに、6冠を奪い取った藤井さんの「ものすごさ」が分かるような気がする。そして7冠めを視野にいれているし、8冠目にもとりかかっている。
④8冠を取った場合、有利とはいえ、年間50試合くらいの「防衛戦」をしなければならない。こうなると、健康を保つことが大変である。年寄りは「祈る」ことしかできないが、楽しみをもって見守っていきたい。大谷さん、早田さん、がんばれ!
2023.5.27. 責任はどこに
①河野さんが陳謝した。しかし、何を陳謝したのか、はっきりしない。世間をさわがせ、不安を広めたのは確かだが、原因を理解していない。
②「ログアウトしたしない」が原因というが、当然起こりうるミスであり、それを引き起こしたのは強引に急がせた政治にある。
③富士通がいくらでこの仕事を請け負ったのか定かでない。また、今般の騒ぎの「修正作業」も当然予算が必要で、その金額も定かでない。最初の契約の中には、絶対!!入っていない。世間はそんなにあまくない。
④さて、本題に入る。富士通がこの契約を交わした時の「仕様書」を公開すべきである。誤入力が起こる可能性を「具体的」に示し、「対応すること」との一文があるかどうかである。ログアウトしなかったときの対応が盛り込まれていなければ、行政の怠慢であり、デジタル庁の責任である。発注を受けた側は「書かれていること」に忠実にシステムを構築する。入力したデータの正誤は確認の仕様が無く、その方法を指示しなければならない。
⑤コロナの検知システム、COCOAで十分懲りたはずだが・・・学習していない。またやるだろう。
2023.5.26. エラーチェック
①マイナカードの登録に「エラーチェック」機能を付けてなかったのか????疑問が湧きます
②一般国民、子供から老人までが入力するわけで、エラーが無いほうが不思議で、補助者がつくとしたならその人的手当もあるでしょう。
③銀行口座に誤りがないかは、銀行データとの確認が必要でしょう
④伝聞では、「〇〇ペイペイ」を選ぶのが、複雑だったと聞きます
⑤けっして「人為的ミス」ではないと思います
2023.5.24. 忘れていませんか?
①3年間のコロナとの戦いがひと段落して、なにか忘れていませんか。
②医療関係者への感謝の行動を、いま取らなければいつ再燃するかわかりませんよ。
③私の想定では、2泊3日の家族旅行。旅館とコラボして・・・。
④予算が無ければ、せめて有給休暇。当時の忙しさを考えれば、やりくりは可能。
⑤誰かが言い出さないと、現場からは言いにくい。厚労大臣かな?。岸田さん、支持率あがりますよ。
2023.5.24. ChatGPT⑭
①以前(2021.10.15)「一太郎」というタイトルで書いたことがある。一太郎の自動変換機能を多用していると、自分の文章構成が一太郎風になっていくことを嘆いたものであった。
②最近 ChatGPT の報道を聞いていると、人々の考え方が ChatGPT風 になっていくのではないかと、恐怖を感じる。確かに ChatGPT に対する質問の仕方を工夫することにより有効な答えを得ることができる。それで良いのであろうか。
③たとえば6歳の子供に話しかけるとき、どうしても「子供ことば」になるし、内容もその子に理解できる範囲に限られる。一方で答えを「誘導する」ことも可能である。新入生に「お友達、いっぱいできた」と聞けば「うん」と答える子が多くなる。肯定的な答えは、「答えやすい」し、否定的な答えは子供にとって難しい。 ChatGPT は肯定的な文体で答えるように構成されているから、「都合の良い」使い方が蔓延する可能性がある。
④いずれにしても、ChatGPT は使用する人の域を越えない。新しい発想は生まれない。逆に、正誤についての保証がない。もちろん「価値観」などない。現在の社会でSNSが起こしているような問題を、もっと大規模にもっと深層で起こることが予想される。
⑤当面、自治体でいろいろな書類を作成することに使いたいという。市民が苦情を訴えて、ChatGPTが答える。現実を見れば、そのような答えしか返ってこないといえばそうだが・・・。 これで、合理化できたとかデジタル化したとか言えるだろうか。
2023.5.23. 人為的ミス
①マイナンバーに限らず「人為的ミス」という言葉をたびたび聞く。「人のせい」というより「不可抗力」「仕方ない」というニュアンスが漂ってくる。これで良いのだろうか。
②まず、入力ミスは必ずある。注意すればよい、慎重に、というような考えをまず捨て去ること。人為的ではなくとも、コンピュータのプログラミングミスもある。
③処理プログラムはその専門家が作成するのでミスは少ないだろうがない訳でもない。専門家ゆえの思い違いもある。報道を聞いていると、発注者の行政側の「丸投げ」が感じられる。トラブルが起こると、請負業者に調査を依頼しているとか修正を指示したと言うが、その他人任せの無責任体制にあきれてしまう。
④健康保険証の場合、マイナンバーに登録されているデータと、保険組合に登録されているデータの共通部分が合致していることを確認していないようである。日本人は名前が漢字登録されていて、同じ漢字でも「外字」の違いがある。以前、10万円?の給付金を配るとき、この外字チェックで市役所などは膨大な作業に苦しめられたはずで、その反省が生かされていない。
⑤銀行口座の場合は、その照合には銀行が持っている顧客データとの照合が必要になり、より困難になるはずである。たとえば、郵便局で他人の郵便口座に送金する場合、口座番号などを入力して最終の確認画面で初めて送金先の口座名が画面に出て、送金先を確認することができる。口座番号を誤っていれば、ここで気づくことができる。
しかし、これも振込詐欺などで口座主を知るために利用されているのではないかと思う。
⑥次に、利用者側がエラーチェックする機能があるかどうかである。健康保険など、病気にならなければ使うことがない。登録後何年も誤入力に気づかないことも想定される。まして、他人の保険証番号を誤入力した場合、誤入力された方は気づきようもなく放置される。
⑦改善策として、マイナンバーにアクセスがあったとき、そのことを本人に通知する機能は必須と思われるが、そのような計画はまったく示されていない。入力ミスが不注意であったとしても、故意であったとしても、必ず本人に通知が行くことが必要。
⑧まあ、何にしても準備不足。河野さんのように「はっぱをかける」だけでは、国民の信用は得られない。ましてポイントで釣ったり、地方交付金などを脅し文句に使うようでは・・・。
追記:銀行口座の誤登録が、昨年7月に判明していたにも拘らず、10か月も放置していたとのニュース。全調査を行うも、すでに訂正されたものは数えず、とか。
2023.5.22. 教員の待遇
①文科大臣が教員の待遇改善を諮問した。モト教員の立場から聞くと、ピントはずれの感が強いので、一言。
②教員調整手当。なんでも予算を付ければ「仕事した感」があるのが、最近の政治の常。「チエが無い」。
③仕事量。教員の職場で最も感じることは、「仕事が降ってくる」こと。議員さんや教育委員が何か思い付くたびに、だいたいは「丸投げ」する。教育委員会の若手が企画はするものの、内容は現場に任せる。
どのような職場でも、新しい企画を立てる時、まずやることはその仕事量を試算する。それを達成するための人材・人員を確保するところから始まる。予算が無ければ、既存の仕事量を減らしたり、配置換えをするなどして新しい部署を立ち上げる。しかし、お役所仕事は前任者の仕事を取り消すことは「まれ」。こうして仕事が、蓄積していく。
④人材。たとえばコンピュータ。設備はカネでなんとかなるが(???)人材はそうはいかない。民間なら必要な人材を募集することもできるが、各学校に「定数」が決まっているため、人の入れ替えができない。かといって新卒では即戦力にならない。予備校や私学(?)なら、授業料の値上げや人員整理も考えられるが、そうもいかない。硬直化と急激な変化に対応することは、困難を極める。
⑤教員希望者の減少。以前は教員採用試験の倍率は、100倍以上は普通であった。1次試験は宝くじのようなもので、2次試験からが本番の状況だった。しかし、東京都の場合、合格者名簿に名前が載っても「即採用」ではない。最近はずいぶん改善されたと聞くが、民間が青田刈りの競争をしているとき、学生の身になってみれば・・・。
⑥最大の要因。職場が、上意下達のシステムにまさに「がんじがらめ」の実態がある。そもそも管理職が教育委員会のイエスマンとなり、職員会議が「伝達機関」と化して機能していないことにある。東京都など、「採決禁止」であるから教員に「学校を構成している」という意識が全くない。会議の仕方を知らない教員ばかりで、教育そのものが成り立っていない。そのなかで、上から降ってくる「仕事をこなさなければ」という職場では、ブラックどころか暗黒の世界である。
⑦書き出すときりがないので、「そのうちに」項目ごとに問題点を指摘したいが、今の文科省には改革は期待できないのが現状。
2023.5.20. ゼレンスキー大統領
①ゼレンスキー大統領が到着してから数時間のうちに、次々と外交成果を上げている。さすがとしか言いようがない。数時間で「世界一周」の効果を得ている。役者だけに「独壇場」になってしまった。
②やや、ひねくれた見方だが・・・ゼレンスキー氏が事故にしろ暗殺にせよ命を失うような事態を想像してみた。おそらく、戦況はまったく変わらないであろう。むしろウクライナ国民は団結を強め、世界の国々は大きく動くであろう。だから、ゼレンスキー氏は「安心して、危険を冒す」行動ができる。
③一方、プーチン氏に万一のことがあれば、ロシアという国家が消滅しかねない。プーチン氏は生き続けなければならない。
④「国を守る」ということに、何が必要なのか。改めて考えてみる良い機会だと思う。国民との信頼関係の大切さをしみじみ感じる。
⑤縁起でもない発言で、スミマセン。
2023.5.20. マイナ保険証
①日本各地でマイナ保険証の誤登録が指摘されている。
②保険証は病気にならないと使わないものだから、もっともっと多数の誤登録があるだろう。現在発見されているものでも、その周辺、つまり相手方の確認は済んでいるのであろうか。全く報道される気配がない。
③ITを用いたデジタル化であるから、誤入力・誤作動は必ずある。これを発見した時の対応が「信頼の創生」である。
④過去に安倍さんの「最後の1人まで・・・」という発言があったが、結局「うやむや」に終わった。
⑤個人の経験でも、「コンピュータ処理だから間違いない」と言い張られ、「銀行の自動引き落としを閉鎖するぞ」と言うところまで事が発展して、ようやく「誤入力」が発見されたことがあった。NTTであった。
⑥自身が作成した成績処理システムでも、1学年分の数学と理科のデータが「そっくり」入れ替わっていたことがある(素点や平均点に相関性があり、発見が遅れた)。
事前に発見して事無きを得たが・・・。
⑦コンピュータはプログラミングに誤りがなければ、「計算ミス」は無い。しかし、プログラミングを作るのは人間であり、データ入力をするのも人間である。
人間には間違っていないという「思い込み」が、必ずある。こう書いている私自身にも「思い込み」だらけである。それを糺すのが「コミュニケーション」だろう。
⑧「信頼の創生」を今の政府はどう取り組むのであろうか。
2023.5.8. ガチなが
①長野県が、返礼品のないふるさと納税を呼びかけている。その名前が「ガチなが」。
②長野県によると、納税額(12億)の30%が返戻品、10%がポータルサイトの運営業者、10%が送料などの諸経費で実収入は50%を割る(6億)という。
③一方、県民から他県への流出分(13.8億)の75%が国から補填(10.4億)されているという。
④県民からの税収が流出しているため、結果的に赤字?。それを国が補填?
⑤東京では世田谷区などは出ていくばかりで大赤字なのだが。
⑥さて、問題点はどこにあるでしょう。私は③だと思う。国が補填している総額がいくらかわからないが、マイナンバーと似たような感覚で「第2の地方交付税」になっているのではないか。(数字は2021年度とのこと)
⑦長野県、がんばれ。(FNNプライムオンライン より)
2023.5.7. 新設条項
①自民党の憲法草案と現行憲法を併記し、私見を述べます。
自民案はH24.4.27に自民党が公表したもので、現行との「違い」を下線で示しています。
②現行憲法
なし
③自民党草案
(環境保全の責務)
第25条の2 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。
(在外国民の保護)
第25条の3 国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない。
(犯罪被害者への配慮)
第25条の4 国は、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮しなければならない。
④私見(永原)
(A) どの項目をとっても、政府の判断で実行できる内容であり、憲法に記載しなければならない理由はない。憲法は権力者の「行き過ぎ」から国民を守るためにあるので、自民党草案に盛り込まれていることに「不信感」を抱かざるを得ない。その観点から、以下、注意点を述べる。
(B) 第25条の3は、自衛隊の海外派遣を念頭に置いているように感じる。最近のスーダンのような内乱状態の国への派遣は、自衛隊の現在の「肩書」では無理がある。9条の改訂とセットと考えられる。25条の3項として紛れ込ませているのは「姑息」と思う。
私は、赤十字のような国際団体「国際救助隊」を作り、国籍を問わず避難民の救助に当たるべきだと考えている。
(C) 第25条の2は、「良好な環境を享受」を理由にどのような施策を打ち出すかにかかっている。たとえば、二酸化炭素による地球温暖化に対応するという理由で、原子力発電の促進、用地取得のための強制収容などが打ち出される可能性がある。
私は、地球単位でのエネルギーの「総量規制」しかないと思うが、人類にそれができるかと問われれば「はなはだ、心もとない」と答えるしかない。
(D)
(E) 以上のように、誰もが納得するような一行を憲法に盛り込むことにより、思いもかけない強制力が権力者側に与えられることになる。憲法に基づくのではなく、国会の十分な協議を経て実施する必要がある。
以下、検討中
2023.5.6. 婚姻
①自民党の憲法草案と現行憲法を併記し、私見を述べます。
自民案はH24.4.27に自民党が公表したもので、現行との「違い」を下線で示しています。
②現行憲法
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
(2) 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
③自民党草案
(家族、婚姻等に関する基本原則)
第24条 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わねばならない。
2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
④私見(永原)
(A) そもそも「基本原則」とは誰の基本原則なのか。「社会の自然かつ基礎的な単位」とともに自民党が持っている「家族観」が垣間見える。憲法に用いる用語としては不適切。裁判になれば、「基本原則」の解釈から審理が始まる。「尊重される」・「助け合わねばならない」も同様。草案の第1項は不要と思われる。
(B) 「両性の合意のみ」の「のみ」が草案では削られている。必要なくなったと言えばそうなのだが、果たしてそうか。
(C) 自民党草案の第3項。付け加えられているのが、扶養・後見・親族、削られているのは、配偶者の選択・住居の選定。順序や併記の表現も微妙に異なる。時代の変化で重要性が変化したと言えばそうだが、説明が必要であろう。
(D) 自民党が「党是」とする「家父長制」への回帰が感じられて仕方がないのは、私だけであろうか。
2023.5.4. 国民の権利及び義務
①自民党の憲法草案と現行憲法を併記し、私見を述べます。
自民案はH24.4.27に自民党が公表したもので、現行との「違い」を下線で示しています。
②現行憲法
第三章 国民の権利及び義務
第10条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保証する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及将来の国民に与へられる。
第12条 この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利ついては、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
③自民党草案
第三章 国民の権利及び義務
(日本国民)
第10条 日本国民の要件は、法律でこれを定める。
(基本的人権の享有)
第11条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保証する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
第12条 この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
(人としての尊重等)
第13条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利ついては、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。
④私見(永原)
(A) 「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に書き換えられていることが気になってならない。現憲法が国民の立場で述べられていることに対して、改定素案は「国民の立場を守る」という隠れ蓑を使った「国家権力の介入」が透けて見えてしかたない。
(B) 「責任及び義務が伴う」、「公益及び公の秩序に反しない限り」など基本的人権の解釈により「義務や制約」が伴うことを示唆している。現行憲法ではそのような表現が意識的に避けられているように思えてならない。
(C) 「公共の福祉」を求めるという「前向き」の姿勢に対して、「秩序に反しない限り」と条件を付けることにより「国民をコントロール」しようという「後ろ向き」の姿勢が感じられる。これは改定素案全体に見られる兆候である。
(D) 「すべて」と「全て」は同じか。「総て」「凡て」「総て」・・・。私もときどき迷うこともある。この条文に限らず「昭和」の表現を修正している気配がある。必要性があれば当然だが、意識的な姿勢もうかがえる。私なぞ、全体主義を連想して、「みんな」というニュアンスから離れるような気がする。
(E) 言葉尻をとらえているように思いますが・・・。「日本国民たる要件」と「日本国民の要件」は同じだろうか。「たる」は自覚を伴うようなニュアンスがあり、単に「の」であると法的条件に思われる。法文だからそれで良いのだが、憲法の条文は格調が必要。「国会議員たるもの」「政治家たるもの」「教育者たるもの」という使い方が死語に近くなっている現在、今更言ってもダメかと。
2023.5.4. 法の下の平等
①自民党の憲法草案と現行憲法を併記し、私見を述べます。
自民案はH24.4.27に自民党が公表したもので、現行との「違い」を下線で示しています。
②現行憲法
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
②華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③栄誉、勲章その他の栄典授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
③自民党草案
(法の下の平等)
第14条 全て国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
④私見(永原)
そもそも、「同性婚」に関わって最高裁で争われている条項。
(A) まず、「門地」による差別は皇室の扱いについて課題を残しているようである。最初「部落差別」を考えたのだが…
(B) 現行第3項の「いかなる特権」が何を意味していて、現在はどうなのか。不明なので、言及はさける。
(C) 新設の「障害の有無」だが、別の条文に入れるべき問題と感じる。大きな違和感を感じる。運動神経の弱い私や、勉強の嫌いな人、IT化についていけないひとなどある意味で生きにくい時代?。障碍のある人がどういう解決を求めているかが問題。
(D) 憲法は日本国民を対象とするものだが、むしろ、「国籍の違い」も法の下での平等を保障すべきだはないか。グローバル化のなかで「国際憲章」級の問題提起をしても良いのではないか。昨今の難民問題を考えるにつけて、日本の姿勢が問われている。
2023.5.3. ChatGPT⑬
①もと Google の副社長であった、J.ヒントン氏が退職した。その理由は ChatGPT の危険性を「制約なしに」発言したいからだそうだ。Google を批判するためではないと言い添えている。
②そもそも ChatGPT のCEO本人が、人類の滅亡にもつながりかねないと発言していることもある。
③IT 関連の企業は、必死になって競争に打ち勝つように努力せざるを得ず、社会主義国などは国家統制の意図も含めて全力を尽くすよう、指示するだろう。ろくに検討もしないで「便利よさそう」程度で、のほほ~~んとしている日本が心配でならない。
④数十年前までは、書籍として活字化されたものへの信頼は厚かった。引用するときは出版社・署名・筆者を明記したものだ。編集者は誤りがないか、必死に、責任をもって校正したものだ。(ちなみに「こうせい」の漢字変換が6番目くらい)そのような時代が良かったとか、懐かしむ気はないが、問題意識は忘れてはならない。
⑤コロナで責任のない発言が飛び交ったが、これに ChatGPT が参画すればどうなることやら、思いやられる。これらを検討して整理することが必要なのだが、厚労省にその気はなさそうだ。
⑥混乱の時代に、あり得ないような決定がなされるのが「世の常」である。憲法改正どころではないし、改正すべきではない。でも権力者はこの時を狙っている。
2023.5.3. 憲法記念日
①自民党は憲法改定を「党是」としている。私の考えはこの欄でも何度も述べているし、これからも続けるつもりだが、憲法記念日の区切りで、思いつくまま問題点を列挙してみる。
②私のような都立高校の教師でも総理大臣でも、就職の時「憲法の遵守」の誓約を求められる。自民党の党員はともかく、国会議員であれば「憲法改定」は決して軽はずみに口外してはならない。
③「党是」の核心は、自衛隊の地位であろう。安倍さんは自衛隊員の家族が「お父さん、自衛隊は違憲なの?」という言葉から必要性を誘導していた。感情論に訴えるべき問題ではない。自衛隊を作ったとき、国民の理解を得るか憲法を変えなければならなかった。それを怠った、または、できなかったのが起因である。
④非常事態条項は、9条とセットにして国会改定の国会決議を得ようとする、「姑息な手段」である。実際に他国から攻撃を受ければ、憲法などと言っている場合ではない。政府が国民の信頼を得ていれば、国民は団結する。政府も国民を信頼すべきであろう。
⑤そもそも、現憲法下の76年間に「憲法9条」の理念をどれだけ達成する努力をしてきたか、である。北朝鮮とも水面下でも強力な意思疎通をつなげる努力をしてきたか。スーダンでも両勢力との接触がうかがえない、まして仲介役など。ウクライナがあの戦禍の中でも「憲法9条」を尊重して、復興時の援助にとどめている。
⑥日本が戦争の放棄を謳っていることは、諸外国にとっては大きな信頼感につながっていることも軽く見ない方がよい。ここで態度を変えれば、アジア諸国は先の戦争を思い出すだろうし、アフリカ諸国も警戒するだろう。世界が二極化するなかで仲介役を担える国はどんどん減っていく。貴重な立場を自覚すべきだとおもう。
⑦自民党の憲法草案は別項で問題点を指摘しているが、素人の私でも問題点があとからあとから思いつく杜撰なものだ。
⑧きりがないから、今日はここまで。